それが、マウイ島にいる間、ずーっと心の片隅で
つぶやいていた言葉だった。
この場合、‘叶わない’じゃないです。
‘敵わない’です。
たった4泊、短い短いマウイ島。
そんな時間で、マウイがすべての表情を見せてくれたとは思わない。
でも、旅立つ前の約半月、頭と身体をフル稼働させて
確実に(若)白髪が増えたであろうわたしを、
とても深く温かく受け止めてくれたことは確かなコト。
今回の旅では、カフルイのとある部屋に滞在。
広い庭を通り抜けると、人口の気配がまったくない海が出迎えてくれた。
波は少し荒く、風も強くて、都会に暮らす弱小者のわたしは
対等な相手にはなれない。
だけど、「よく来たね」と言っている気がする。
本来の自然の姿で向かい合ってくれることが、とても嬉しかった。
ハワイとわたしの関係は、まだまだ浅い。
それでも、ハワイの辿ってきた運命には心奪われる。
以前、ハワイ島へ訪れて、人生観が変わった。
本当に些細なことだけれど、心の在り方を教えられた。
ハワイ島の話は、いつかまた書くことができたらいいなと思う。
パイアという可愛らしい街がある。
昔、サーファーやヒッピー達が創った街。
10分も歩けば端と端のお店に辿り着けてしまうサイズ感。
お店に入るときも去るときも、みんな心からの対応をする。
厳しい表情をしたり下を向いて歩く人はだれもいない。
大好きな街が、またひとつ増えた。
数年前、マウイ島民とメインランドからの移住者の人口が並んだという。
そうなると、土地や家、物価が高くなる。
でも、仕事はそう増えないし給料がグンと上がることもない。
そうだとしても、この地に移住したいと願う気持ちはよく分かる。
ここには、かなわないなぁと思わせる力があるから。
ありのままの自然にも、チャーミングで大らかな人達にも。
人って、自分よりも強くて優しい、かなわないモノに出逢うと、
いつだって謙遜でいることができる。
そうすると、自分の中の優しさが、のびのびしてくる。
とは言え、本当は、東京にいたってどこにいたって、
Alohaな心を忘れずにいられるはずだ。心の向き方ひとつで。
…でも、本心は、今すぐマウイに逢いにいきたい。