2.04.2009

世代交代とはこれか、と思う。

たとえば作家や映画監督とは違い、バンドは世代がよく表れる。
それは、そのメンバーの育った世代の価値観と
聴いてきた音楽がベースにあるからだ。

わたしの同世代のバンドといえば、
ストレイテナー、ゴーイング、THE BACK HORN、ART-SCHOOL、
detroit7、ランクヘッド、フジファブリック、凛として時雨…
(ほぼ年齢順…だと思う)
そして少し上世代には、
アジカン、ACIDMAN、8otto…
そのまた上世代には、
モーサム、くるり、キウイロール、ブッチャーズ、ハスキン、
ナンバーガール、the pillows、ミッシェル、ブランキー…がいる。
(どれも思いつきのため大雑把な羅列ですが)

前も書いたが、やはり同世代のバンドにはなにか感じるものがある。
わたしの世代は、どちらかというと自己よりも同調を優先する世代だと思う。
そして背伸びすることをカッコ悪いとみなしがちで、
自然体でいることを良しとする。
そのくせ、ストレートに表現(特に愛情表現)することに抵抗がある。
媚を売るのは嫌いだが、周囲の目を無視する程の強引さはない。
この特徴は、同世代のバンドを見聴きすると唸ってしまうほどよく分かる。
同じ時代に生まれ育ち、時代の空気や温度を感じてきたのだから当然だろう。

そして、下世代。
NICO touches the walls、RADWIMPS、HIGH VOLTAGE、lego big morl…
若いバンドは数知れずだが、わたしが一番世代を感じたバンドは、
9mm Parabellum Bulletだ。
2008年見たライブで一番回数の多いバンドは、9mmだった。

9mmサウンドは、ロックとカテゴリーされる類いの音を網羅、
そこにメロディアスでキャッチーなメロディと、
宇宙スケール感の言葉がくる。
自分たちが聴いてきた音楽のすべてを取り入れちゃいました的な。
それを実は緻密に組み立てて、9mm色に仕上げているのだ。
昨年、彼らは、
「一応曲名は伏せておくけど、曲には元ネタがある」と堂々と言っていた。
そして何においても
「自分らが楽しいか、カッコいいと思えるか」どうかが基本。
日常の延長で遊びながらも真剣にカッコいいバンドやっています、
という姿勢。
いや自分らすごくないですよ、という謙遜はない。でも、えばってもいない。
新鮮だと思った。

9mmは、見ていて楽しい。
まぁ本人たちが楽しいのだから、こちらも楽しいのだが、
ライブでの、あの暴れっぷりは気持ちがいい。
途中でギター放り投げて踊っているし、ボーカルにタックルしているし。
今時珍しい2バスドラのコックピットさながらのドラムセットは凄まじいし。
9mmを見ていると、ドラムの腕で変わるなぁと再確認させられる。
ドラムだけでなく、みんな暴れているのにうまい。バンドの化学反応は抜群だ。

わたしは彼らと2,3歳違いだが、あの身軽さと確信犯目線と自信はやはり違うと思う。
それは、世代価値観の違いと言い切れはしないが、
でもそうだと思っている。

9mmのライブの様子。いや〜楽しいし気持ちがいい)