海外ドラマ「SEX AND THE CITY」を初めて観て、
見事に惹き込まれた。
登場する彼女たちはわたしよりも15歳以上年上の設定のため、
親近感というより、こういう女性たちのように年齢を重ねる生き方も
あるのかぁ…という教訓を得たようだった。
それと同時に、年齢を重ねればもっと上手に生きられて、
恋愛も仕事もうまくこなせるようになるという甘い願望は、
キャリーたちを通して間違いだと教わった。
年齢を重ねても、泣くことはたくさんあるし、うまくいかないことだらけ。
girlは、いつまで経ってもbig girlなんだ。
今さらわたしがSATCの解説をする必要はないと思うので、
ここでは思いっきり省くことにする。
ドラマと劇場版のDVDを何度も何度も観て、文字通り擦り切れるまで観て、
ここまで月日が経った。
キャリーたちの存在は、わたしの20代の歩みに寄り添ってくれている。
SATC終了後、製作陣はANOTHER STORYとして、
「カシミアマフィア」というドラマをスタートさせた。
主演のルーシー・リューをはじめ、SATCと同じようにNYの女性4人の物語。
年齢もSATCとほぼ同じ頃。
スタイリストも同じパトリシア・フィールドが手掛けている。
親友のためなら、コネもお金も惜しみなく使う、“カシミアマフィア”たち。
しかし、なにかが違う。
違うのは当たり前だが、なんだか荒んだ印象を受けてしまうのだ。
女性4人の友情間に棘はないけれど(逆にSATCではあった友情喧嘩もない)
周囲の人との関係性に緊張感があって、信頼できる人がいないのだ。
SATCで登場したキュートで温かい歴代のボーイフレンズのような、
4人を支えてくれるゲイの友人のような、
または家族の一員となっているベビーシッターのような、
心からの関係を築ける人物がいない。
憎たらしい人が、たくさん登場する。
しかも、はじめから憎たらしい存在なのではなくて、
仕事での競争や離婚、恋愛が引き金となり、憎たらしくなっていく人が多い。
特にジュリエットの旦那なんて、NYまで行ってぶん殴ってやりたくなる。
それは、現実、リアルな人間関係だと言われればそれまでだが、
SATCでは嫌いになるような、思わず拳を握ってしまうような人はいなかった。
だから、心穏やかに観ていられたのだ。
キャリーたちは、自分のことはもちろんだが、
親友や家族、恋人、周囲の人のことを心から想い大切にしていた。
観ていて、その優しさがとても嬉しかった。
こちらの心も、自然とニコやかになった。
そんなbig girlが、とても愛らしい。