1.09.2009

感受性のススメ-その壱。

わたしはロックが好きだ。
というよりバンドが好きだ。
バンドの話を始めたら、シラフでも5時間、
酒が入ればグッドモーニングは確実なので、
ここでは1回につき1バンドに落ち着きたいと思う。

iTunesを流しながら仕事をしていたとき、
Broken Social Sceneが終わり(Bのアーティストが多いこと!)
少し軽めのロックサウンドへと切り替わった。
そして思わずキーボードを打つ手が止まってしまった。
あぁ、この声。この言葉。
その瞬間、すべて持っていかれてしまった。
時間も、思考も、想いも。
BUMP OF CHICKENの凄さは、藤原基央の歌う歌につきる。

バンプを初めて聴いたのは「ダイヤモンド」だった。
確かわたしはハタチの学生で、その後の「天体観測」のPVを観て
友達にそっくりだなぁと思ったのを覚えている。
その程度だったが、彼に対してハッキリ意識が変わったきっかけは
矢沢あいの『天使なんかじゃない』完全版の解説での文章だった。
登場人物の人格をズバリ的確に言葉にしていて、
しかもその言葉が愛情に溢れていて優しくて人間味の深さに驚いた。
そして“独りで生きていける強さなんてモノは要らん。
俺は孤独には全力で抵抗するよ。他人がいてこその俺だろう”という
行に、ガーンと殴られたようだった。
その後に聴いた「Title of  mine」(「jupiter」収録)。
当時、精一杯背伸びして強がってやり過ごして疲れきっていたわたしに
‘本当はそうじゃないだろ。そのままでいいじゃん’って気付かせてくれた。
人生でツラい時期のひとつを、この曲と一緒に乗り越えた。
だから今でもこの曲を聴くと、7年前の感情が溢れ還る。

胸の奥深くまで届く声をしている。
でもそれ以上に、彼の感受性の豊かさが響いてくる。
一見繊細そうだけれど、儚いのではなく、前を向いていける力、
力に変えられるパワーがある。
全体的に光なんだけど、軽くはなくて嘘もない。影も知っている。
影を含まない光なんて、嫌いだしいらない。
だから、信じられる世界観。

そう感じられるのは、わたしがバンプと同世代だからかもしれない。
同世代のバンドが鳴らす音楽は、やはり共鳴できるナニかがある。
それは、言葉にしなくても伝わる、感覚的なナニか。

そういえば、わたしにとってとても大切な曲、
The Pillowsの「ハイブリッドレインボウ」を
トリビュートアルバムでカヴァーしたのは、バンプだった。
グッとくるポイントはピローズと違ったけれど、
藤原基央が歌う歌の感性は信じたいと思えるカヴァーだった。
というか、この曲を選んだ時点で、もうOKだ。

意識まで持っていかれてしまうから、
仕事中には聴けないけれど、
仕事の合間にたまに思いだしたように聴くととてもいい。
と聴き出すと、いつまで経っても仕事にならない。



←これがThe Pillowsのトリビュートアルバム
「シンクロナイズド・ロッカーズ」。
バンプのほかに、ストレイテナー、
ELLEGARDEN、ミスチルも。
エルレが、これまた素晴らしいです。